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 23°プレートアーク

別名
 

英名
 

 

氷晶
配向
レア度

23°幻日、23°パリー型アーク
ニューウェンヒューアーク

23° plate arc,23° parhelion
23° Parry-shaped arc
23° Parroid arc
Nieuwenhuys arc

ピラミッド型氷晶
プレート配向 
上部★★★★★☆☆☆
年に1、2回
下部★★★★★★★☆
全観測数 数例

概説

●23°プレートアークとは

 23°プレートアークはピラミダルプレートアークの一種で、見た目は光源の上下に生じる、光源に凹の虹色の弧。ピラミダルハロ同様主に夏に出現するという季節性がある。

 

​ 23°ハロ幻日に相応する現象だが、光源高度42.4°周辺のみでしか23°ハロに接触しないという特異性を持ち合わせる。

 そのような位置の特異性と強い明るさ・鮮やかさから、ピラミダルプレートアークの中でも特に分離・認識されやすい。単独で出現することもあり、夏にタンジェントアークのような弧が単独で出現しているディスプレイを見かければ、23°プレートアークの可能性があるので注意して観察しよう。

 光源高度が比較的高い時のピラミダルプレートアークのディスプレイでは、18°プレートアークとこの23°プレートアークの組み合わせが出現するのが典型的だ。そのため23°プレートアークを見つけたときは上方に18°プレートアークが無いか探してみよう。

​ 時にピラミダルカラムディスプレイの中に23°プレートアーク単体が混同していることがある。

23p Parry.png
23p Parry2.png
parroid.png

 

 23°プレートアークはその見た目と振る舞いが型パリーアークと非常に似ており、23°パリー型アークとも呼ばれることがある。理由としては、上の画像の光路を見ると明らかなようにプレート配向時のピラミッド面はあたかもパリー氷晶のプリズム面のような役割を果たすからである。[1]

 ただ、ピラミッド面はプリズム面に対し約28°の角度であり、ピラミッド面と底面は約62°となる。よって62°プリズムで出来る23°プレートアークは、60°プリズムで出来る凸型パリーアークより最小偏角が大きくなり、より光源から離れて現れることとなる。

 

ちなみにプレートアークの中では、下部20°プレートアーク、下部23°プレートアーク、下部35°プレートアークが特に稀少な印象です。

 

●歴史

 上部は1974年に Frank Nieuwenhuys によって、下部は1997年11月の所謂「Lascar display」にてMarko Riikonenらによって初めて観測されたとされる。

●出現頻度

 上部は比較的稀にしか観測されず、年に1、2回程しか出現しないとされている。[2]

 下部は極めて稀にしか観測されず、全報告数はLascar display含む数例しかない

●原理

 ピラミッド型氷晶がc軸を垂直に回転しているとき、氷晶のピラミッド面と対側の底面とで形成される約62°プリズムに光が通ることで生まれる。

 氷で出来た62°プリズムを光が通過する場合、最小偏角は約23°となる

●変形・出現光源高度

​ 上部23°プレートアークは、一般的に光源高度約15°から生じ始め、段々と下降し23°ハロに近づき42.4°付近で接触する。それ以上になると上昇していき徐々に消滅する。

 下部23°プレートアークは、一般的に光源高度約47°から生じ始め、段々と上昇し23°ハロに近づき65°付近で接触する。光源高度が更に上昇すると弧が光源を囲む様に伸びて、70°で円形となり、最終的に光源を中心とした半径約26°の真円となる。

pypl.png
pypl2.gif

[1]

「Identification of odd-radius halo arcs and of 44°/46° parhelia by their inner-edge polarization」 Günther P. Können

[2] 年に1回程度 Arbeitskreis Meteore e.V.

関連

●月の23°プレートアーク

 月の23°プレートアークは太陽によるものより珍しい

⇒ Lunar Pyramidal Crystal Halos, Estonia

Atmospheric Optics

月のピラミダルハロとピラミダルプレートアー

⇒ Odd radius plate display from the Czech Republic

The Halo Vault

月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク

⇒ Lunar odd radius display in Fairbanks

The Halo Vault

月の18°、23°プレートアーク

⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland

The Halo Vault

月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク

観測例

⇒ Pyramidal Plate Arcs

Atmospheric Optics

上部23°プレートアークと18°プレートアークなどの典型的なディスプレイ

⇒ Rare pyramidal crystal ice halos across 2 US States

Atmospheric Optics

上部23°プレートアークと18°プレートアークなどの典型的なディスプレイ

⇒ Odd radius plate display in Czechia

The Halo Vault

上部23°プレートアークと18°プレートアークなどの典型的なディスプレイ

⇒ Peculiar 23° plate arc with an elliptical halo

The Halo Vault

上部23°プレートアークのみの非典型的なディスプレイ

⇒ Lower 23 degree plate arc observed in Ohio USA 5-9-06

The Halo Vault

下部23°プレートアークと他ピラミダルハロ

⇒ Pyramidal halos 7-10-19

The Halo Vault

上・下部23°プレートアークと18°プレートアー

⇒ Lower 23 plate arc observed in Chile

The Halo Vault

上・下部23°プレートアークと他ピラミダルハロ

⇒ Odd radii halos outbreak in the Czech Republic

The Halo Vault

上・下部23°プレートアークと他ピラミダルハロ

外部解説リンク

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