18°プレートアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
18°幻日、18°ラテラルアーク
トンプソンアーク
18° plate arc,18° parhelion
18° lateral arc
Thompson arc
ピラミッド型氷晶
プレート配向
★★★★★☆☆☆
年に1、2回
概説
●18°プレートアークとは
18°プレートアークはピラミダルプレートアークの一種で、18°ハロの幻日に相当する現象である。ピラミダルハロ同様主に夏に出現するという季節性がある。
以前は18°ラテラルアークと呼ばれることがあったが、これはこの現象のメカニズムが分からなかった時に、光源の「側方=ラテラル」に出現することから便宜上付けられた名前であり、本来のラテラルアーク(46°カラムアーク)とは何の関係も無い。
見た目は光源の視角18°左右に現れる、光源に凸の虹色の弧。ただし見た目が弧のようになるのは理想的な氷晶の配向時のみであり、基本的には「18°ハロの左右が明るい」程度にしか認識出来ないことが多い。
また、氷晶のプリズム面が薄く、かつ光源高度が0°に近い時には18°プレートアークBタイプと呼ばれるアークが理論上出現するとされているが、観測されたことは無い。
光源高度が比較的高い時のピラミダルプレートアークのディスプレイでは、この18°プレートアークと23°プレートアークの組み合わせが出現するのが典型的だ。そのため18°プレートアークを見つけたときは上方に23°プレートアークが無いか探してみよう。
ちなみにプレートアークの中では、下部20°プレートアーク、下部23°プレートアーク、下部35°プレートアークが特に稀少な印象です。
●歴史
1980年に Thompson によって初めて観測された。
●出現頻度
比較的稀にしか観測されず、年に1、2回程しか出現しないとされている。[1]
●18°プレートアークの原理
ピラミッド型氷晶がc軸を垂直に回転しているとき、氷晶の一側のピラミッド面と対側の2つ水平方向にずれたピラミッド面とで形成される約52.4°プリズムに光が通ることで生まれる。
氷で出来た52.4°プリズムを光が通過する場合、最小偏角は約18.3°となる。
●変形・出現光源高度
氷晶のプリズム面が薄いほど低い光源高度でも出現するようになり、高い光源高度では出現しなくなる。
(例)プリズム面アスペクト比が0であれば0°~50°ほどで出現
プリズム面アスペクト比が0.3であれば10°~60°ほどで出現
[1] 年に1回程度 Arbeitskreis Meteore e.V.
関連
●月の18°プレートアーク
月の18°プレートアークは太陽によるものより珍しい。
⇒ Lunar Pyramidal Crystal Halos, Estonia
Atmospheric Optics
月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク
⇒ Lunar odd radius display in Fairbanks
The Halo Vault
月の18°、23°プレートアーク
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク
⇒ Odd radius plate display from the Czech Republic
The Halo Vault
月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク
●The Salzburg halo
太陽の右側視角18°付近に現れた鮮やかな弧。近いものとして18°プレートアークが挙げられるが、形状が異なり詳細不明である。
観測例
Atmospheric Optics
18°プレートアークと上部23°プレートアークなどの典型的なディスプレイ
⇒ Rare pyramidal crystal ice halos across 2 US States
Atmospheric Optics
18°プレートアークと上部23°プレートアークなどの典型的なディスプレイ
⇒ Odd radius plate display in Czechia
The Halo Vault
18°プレートアークと上部23°プレートアークなどの典型的なディスプレイ
Atmospheric Optics
18°プレートアークと様々なピラミダルプレートアーク
The Halo Vault
18°プレートアークと上・下部23°プレートアーク
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク