ヘンリクソンアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
太陽柱の環天頂/環天底アーク
Henriksson arc
★★★★★★★☆
全観測数 数例
概説
●ヘンリクソンアークとは
多重散乱ハロの一種であり、簡単に言えば太陽柱の環天頂アーク/環天底アークである。見た目は光源の視角57°上方に現れる、ぼんやりとした光源に凸の虹色の弧である。通常の環天頂アークと合わさり二重の見た目となったり、通常の環天頂アークとジェンセンアークと合わさり三重の見た目になったりする。
●歴史
2013年10月18日、フィンランドのキッティラにて、Antti Henrikssonによって初めて撮影された。撮影者の名にちなんで「ヘンリクソンアーク」と名付けられた。
●出現頻度
観測数は数例であり、極めて稀である。
●原理
光源高度0~33°にある太陽柱が、連続した光源となって無数の環天頂アークを作り出す。同様に、光源高度0~-33°にある太陽柱も無数の環天底アークを作り出す。それら無数の環天頂アークと環天底アークは重なり合い、幅の広い一つの弧となってヘンリクソンアークが形成される。[1]
●変形・出現光源高度
光源高度に変わらず変形や位置の変化は無い。
光源高度が低いときほど明るさが強い(太陽柱の明るさも同様のため)が、光源高度が15°以下では環天頂アークが近接しており検出が困難となる。光源高度が30°を超えると徐々に消えていく。[1]
[1] The Halo Vault Secondary CZA from Sun Pillar
関連
●円の”ヘンリクソンアーク”
2020年4月14日、デンマークのユトランドにて円のヘンリクソンアークが撮影された(便宜上ヘンリクソンアークと表現している)。
考えられているメカニズムとしては、あらゆる方位角から供給される光を「無数の太陽柱」と捉え、それらによって形成される無数の「ヘンリクソンアーク」によって、均一な強度分布を持つ完全な円が形成されたというものである。「統合環天頂アーク」という名も提唱されている。
観測例
⇒ Halo phenomena covering the sky - 18.10.2013 at 20.00 - 18.10.2013 at 20.30 Kittilä
Taivaanvahti
月光による。初めて撮影されたヘンリクソンアーク。
⇒ Secondary CZA from Sun Pillar
The Halo Vault
ヘンリクソンアークと様々なハロ。
⇒ New Halo - Triple CZA (Jensen arcs) in Denmark
⇒ Hidden Treasures in the Jutland Display
The Halo Vault
完全な円となったヘンリクソンアークと様々なハロ。