87°拡散アーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
87°ブルーエッジ
87° diffuse arc
87° blue edge
三角柱状氷晶
カラム配向
★★★★★☆☆☆
ダイヤモンドダスト中
概説
●87°拡散アークとは
見た目は視角87度と巨大な青色の弧(ハロ、円ではないことに注意)で、三角柱状氷晶を多数含むような良質なダイヤモンドダスト(特にスノーガン等の人工的なもの)中、強力な人工光源によって極めて薄く生じることがよく知られている。肉眼では、アークがある部分より内側のダイヤモンドダストがキラキラと輝く一方、外側のダイヤモンドダストは輝いてみえないという明度のコントラストとして認識され、基本的に強調処理をして初めてその境界が青色に見える。
成因から考えるとブルースポットやブルーサークルの仲間で、臨界角効果によるハロ(critical angle effect halos)の一種である。
87°拡散アークが出現しているとき、氷晶はカラム配向となっていることが予想されるため、タンジェントアーク、ラテラルアーク等を伴うことが多い。もし87°拡散アークのようなものが出現しているにも関わらずタンジェントアーク、ラテラルアークが欠損していた場合、それは87°拡散ハロの可能性がある。
●出現頻度
人工光源、ダイヤモンドダスト中であれば比較的頻繁に出現するとされる。たとえ自然光源であっても、ダイヤモンドダストによる大規模なディスプレイであれば高確率で出現している。
●原理
光路3-5-7の、天球上の全反射と部分反射の遷移の境目に87°拡散アークは出現する。
●変形・出現光源高度
この現象が3-5-7の光路によることからも分かる通り、氷晶の三角形傾向が強いほど明瞭になる。また、氷晶の長さと幅の比が大きいほど87°拡散アークの投射範囲は大きくなる。[1]
[1] Taivaanvahti
観測例
⇒ Rare halos - 30.10.2015 at 09.01 - 30.10.2015 at 10.13 Rovaniemi
Taivaanvahti
自然光源によって形成された87°拡散アーク含むマルチディスプレイ
⇒ Harvinaisia halomuotoja - 12.1.2016 klo 20.51 Rovaniemi
Taivaanvahti
人工光源によって形成された87°拡散アーク
⇒ Solar diamond dust display with 87° arc
Halo Phenomena
自然光源によって形成された87°拡散アーク
⇒ Halos on 6th March 2017 in Rovaniemi
The Halo Vault
自然光源によって形成された87°拡散アーク含むマルチディスプレイ
⇒ The Fichtelberg halo display from December 18th, 2017
Halo Phenomena
自然光源によって形成された87°拡散アーク含むマルチディスプレイ
⇒ Rare halos - 21.1.2023 at 11.47 - 21.1.2023 at 12.30 Lahti
Taivaanvahti
自然光源によって形成された87°拡散アーク含むマルチディスプレイ