20°プレートアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
20°幻日、20°パリー型アーク
20° plate arc,20° parhelion
20° Parry-shaped arc
20° Parroid arc
ピラミッド型氷晶
プレート配向
上部★★★★★☆☆☆
年に1、2回
下部★★★★★★☆☆
数年に1回
概説
●20°プレートアークとは
20°プレートアークはピラミダルプレートアークの一種で、20°ハロの幻日に相当する現象である。ピラミダルハロ同様主に夏に出現するという季節性がある。
見た目は光源の視角20°上下に現れる、光源に凸の虹色の弧。ただし見た目が弧のようになるのは理想的な氷晶の配向時のみであり、基本的には「20°ハロの上下が明るい」程度にしか認識出来ないことが多い。
光源が低い時は上部、高い時は下部が観測されやすい。
20°プレートアークはその見た目と振る舞いが凸型パリーアークと非常に似ており、20°パリー型アークとも呼ばれることがある。何故似ているかというと、上の画像の光路を見ると明らかなようにプレート配向時のピラミッド面はあたかもパリー氷晶のプリズム面のような役割を果たすからである。[1]
ただ、ピラミッド面はプリズム面に対し約28°の角度であり、ピラミッド面の対面同士は約56°となる。よって56°プリズムで出来る20°プレートアークは、60°プリズムで出来る凸型パリーアークより最小偏角が小さくなり、より光源側に現れることとなる。
ちなみにプレートアークの中では、下部20°プレートアーク、下部23°プレートアーク、下部35°プレートアークが特に稀少な印象です。
●歴史
上部は1974年に R.S.Scorer によって、下部は1997年に Walter Tape によって初めて観測されたとされる。
●出現頻度
稀にしか観測されず、年に1、2回程しか出現しないとされている。[2]
●原理
ピラミッド型氷晶がc軸を垂直に回転しているとき、氷晶の一側のピラミッド面と同側で水平方向に真反対のピラミッド面とで形成される約56.1°プリズムに光が通ることで生まれる。
氷で出来た56.1°プリズムを光が通過する場合、最小偏角は約19.9°となる。
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク
●変形・出現光源高度
氷晶のプリズム面が薄いほど低い光源高度でも出現するようになり、高い光源高度では出現しなくなる。
(例)プリズム面アスペクト比が0であれば0°~50°ほどで出現
プリズム面アスペクト比が0.3であれば10°~60°ほどで出現
[1]
「Identification of odd-radius halo arcs and of 44°/46° parhelia by their inner-edge polarization」 Günther P. Können
[2] 年に1回程度 Arbeitskreis Meteore e.V.
関連
●月の20°プレートアーク
月の20°プレートアークは太陽によるものより珍しい。
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク
⇒ Odd radius plate display from the Czech Republic
The Halo Vault
月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク
観測例
Atmospheric Optics
上部20°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Low sun odd radius display in Rovaniemi 14 Jan. 2021 – and some words on Canon 80D
The Halo Vault
上部20°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
Ice Crystal Halos
上部20°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Major Halo Outbreak in Southern China, Apr 29 ~ May 01, 2021
The Halo Vault
下部20°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク