ミッキラアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
Mikkilä arc,
diffuse Moilanen arc
34°の頂角を持つ楔型の氷晶?
34°の交差角板?
カラム配向?
★★★★★★★☆
全報告数 数例
概説
●ミッキラアークとは
見た目は光源の約11度上方に現れるV字の弧であり、光源高度が0度近くの時はモイラネンアークに酷似しており区別は大変難しい。光源高度が上がるにつれモイラネンアークは出現位置が少しずつ上昇していく一方、ミッキラアークは位置がほぼ変わらず、弧が緩やかになっていくため区別出来るようになる。
地平線近くのときの相違点を強いて上げるのであれば、ミッキラアークはモイラネンアークより弧の先がほんの少しだけ開いていることと、弧の間の部分も明るいことである。その違いが良く分かる例として、写真とコンピュータシミュレーションとの比較gifのリンクを載せる。(Aがミッキラアークのシミュレーション画像との比較、Bがモイラネンアークのシミュレーション画像との比較)
●Marko Riikonenが撮影したミッキラアークと思われる写真
●Milan Oseckyが撮影したモイラネンアークの写真
このように光源が地平線レベルの写真では、今までモイラネンアークと思われていたものの中にもミッキラアークが紛れている可能性が高いので是非探してみて欲しい。
●歴史
2005年12月フィンランドにて、最初に撮影したMarko Mikkiläの名から「ミッキラアーク」と名付けられた。[1]
●出現頻度
まだ数例しか観測されたことが無く極めて稀である。
●原理
観測例が少なく不明な点が多いが、モイラネン氷晶(34度の頂角を持つ氷晶)がカラム配向に近い状態の時に出現すると考えられている。水平軸の回転角の偏差が8~16度あたりにモイラネンアークとミッキラアークの境界があるとされる。[2]
22°ハロ:モイラネンハロ
パリーアーク:モイラネンアーク
タンジェントアーク:ミッキラアーク
氷晶の配向の関係性から上記の対応表が出来るとされる。この対応表を考えると、通常のパリ―アークは光源高度が上昇すると光源から離れていくが、タンジェントアークは22°ハロと接し続けることからも、モイラネンアークは上方へ離れていく一方、ミッキラアークは視角11°の位置に留まるという振る舞いの違いの理解も深まる。
●変形・出現光源高度
出現位置は光源高度に関わらず光源から約11度上方でほぼ変わらないとされる。弧の開き具合は、光源高度が0度の時は比較的鋭いV字。高度が上がるにつれ開いていき、約20数度で水平となり、それ以上になると反り返って太陽を囲むような形になる。モイラネンアークとは異なり35度以上でも観測出来るとされる。[2]
右 ミッキラアーク
中 モイラネンアーク
左 両方
それぞれ光源高度0-35°、5°刻み
[1] 10.12.2005 markom.kuvat.fi
[2] Simulations on the possible new arc from Moilanen crystals Ice Crystals Halos
観測例
Atmospheric Optics
モイラネンアークとミッキラアーク?
⇒ Simulations on the possible new arc from Moilanen crystals
Ice Crystals Halos
モイラネンアークとミッキラアーク? 氷晶の配向とシミュレーションについての考察。
⇒ Possible new arc from Moilanen crystals
The Halo Vault
モイラネンアークとミッキラアーク? 氷晶の配向とシミュレーションについての考察。