Liljequist幻日
別名
英名
氷晶
配向
レア度
Liljequist parhelia
六角板氷晶
プレート配向
★★★★★★☆☆
数年に1回程度
概説
●Liljequist幻日とは
見た目は幻日環上の方位角±150~160°あたりに現れる、10°程の幅を持つ白色の明るい領域である。時々部分的に青色を含むこともある。Liljequist幻日と拡散対日ハロは同じ光路であるため、Liljequist幻日のランダム配向時の姿が拡散対日ハロと考えられる。
カラム・パリー配向での幻日環ではLiljequist幻日は起きない。氷晶が正六角形に近いほど明るいLiljequist幻日となる。
●歴史
1951年に南極にて Gösta Hjalmar Liljequist により初めて観測された。1987年に Eberhard Tränkle と Robert Greenler によってシミュレーションされ、1994年に Walter Tape によって理論的に説明された。
●原理
六角板氷晶の側面から入射、そこから1つ飛ばした側面・その隣の側面・更にその隣の側面で内部反射し、入射した側面から出射することで生まれる。光路として、連続した3側面を内部反射する必要があるため、正六角形に近い氷晶であるほど明るいLiljequist幻日となるのである。
理論・実験的には、Liljequist幻日の最大強度は方位角θL1となり、方位角θL2maxまで伸びると考えられている。[1][2] ちなみに光源高度が0°ではθL1≒153°となる。
θL1 = 2 arccos((n sin((π/3)-αTIR)))
θL2max = 5π/6 + arcsin(n sin(π/3 - αTIR))
αTIR = arcsin(1/n)
n(e) = (n^2 - sin^2(e))^(1/2) /cos(e)
e:光源高度
●変形・出現光源高度
光源高度が0°の時は方位角160°付近に出現し、光源高度が30°に上がるまでに方位角150°付近に変化、それ以上光源が高いと消滅する。
氷晶が三角形に近いほど見えにくくなり、幻日環の補助光路として働く。
[1]
「Intensity distribution of the parhelic circle and embedded parhelia at zero solar elevation: theory and experiments.」 Sarah Borchardt, M. Selmke 2014
[2]
「Artificial halos」 M. Selmke 2015
観測例
⇒ Liljequist parhelion does not exist
Ice Crystals Halos
Liljequist幻日と氷晶の形状についての考察。
Atmospheric Optics
自然光による幻日環と120°幻日、Liljequist幻日。
Atmospheric Optics
自然光によるLiljequist幻日と様々なハロ。
Atmospheric Optics
月光によるLiljequist幻月と思われるものと様々なハロ。
Atmospheric optics, landscapes, and more
人工灯によるLiljequist幻日、映幻日。
⇒ Subhorizon plate crystal halos
Ice Crystals Halos
人工灯によるLiljequist幻日、映幻日と様々な地平線下ハロ。
⇒ A plate spotlight display on 5th November 2016
Ice Crystals Halos
人工灯によるLiljequist幻日、映幻日と様々な地平線下ハロ。
⇒ The hiding sub-120° parhelion
Ice Crystals Halos
人工灯によるLiljequist幻日、映幻日と様々な地平線下ハロ。
⇒ A distinct Wegener but other reflection halos from column orientation lacking
Ice Crystals Halos
人工灯によるLiljequist幻日、映幻日と様々な地平線下ハロ。
⇒ On some aspects of a display observed in Rovaniemi on the night of 9/10 November, 2016
Ice Crystals Halos
人工灯によるLiljequist幻日、映幻日と様々な地平線下ハロ。
外部解説リンク
⇒ 空の輝き