35°プレートアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
35°幻日、シュトゥルムアーク
35° plate arc,35° parhelion
Sturm arc
ピラミッド型氷晶
プレート配向
上部★★★★★★★☆
全観測数 数例
下部★★★★★★☆☆
数年に1回
概説
●35°プレートアークとは
35°プレートアークはピラミダルプレートアークの一種で、35°ハロの幻日に相当する現象。ピラミダルハロ同様主に夏に出現するという季節性がある。
見た目は光源の斜め4方向に生じる、光源に凸の虹色の弧である。より詳しく見ると、光源1時半方向と10時半方向に出現する上部と、光源4時半方向と7時半方向に出現する下部に分けられる。ただし見た目が弧のようになるのは理想的な氷晶の配向時のみであり、基本的には「35°ハロの斜め2、4方向が微かに明るい」程度にしか認識出来ないことが多い。
光源が低い時は上部、高い時は下部が観測されやすい。
ちなみにプレートアークの中では、下部20°プレートアーク、下部23°プレートアーク、下部35°プレートアークが特に稀少な印象です。
●歴史
上部は1997年11月の所謂「Lascar display」にてMarko Riikonenらによって初めて観測された。
下部は1987年11月7日に Klaus Sturm によって初めて観測され、その写真がペンシルベニア大学気象学教授の Craig F. Bohren に渡り認識された。
●出現頻度
上部は極めて稀にしか観測されず、全報告数はLascar display含む数例しかない。
下部は稀にしか観測されず、数年に1回程しか出現しないとされている。[1]
●原理
ピラミッド型氷晶がc軸を垂直に回転しているとき、氷晶の一側のピラミッド面と同側の一つ飛ばしたピラミッド面とで形成される約80.2°プリズムに光が通ることで生まれる。
氷で出来た80.2°プリズムを光が通過する場合、最小偏角は約34.9°となる。
●変形・出現光源高度
上部35°プレートアークは、一般的に光源高度数°で消滅していく。
下部35°プレートアークは、一般的に光源高度が上昇するにつれ下方~側方へ移動していき、光源高度約40°あたりで消滅していく。
[1] 年に1回程度 Arbeitskreis Meteore e.V.
関連
●月の35°プレートアーク
月の35°プレートアークは太陽によるものより珍しい。
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク
⇒ Odd radius plate display from the Czech Republic
The Halo Vault
月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク
観測例
Atmospheric Optics
上部35°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Low sun odd radius display in Rovaniemi 14 Jan. 2021 – and some words on Canon 80D
The Halo Vault
上部35°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
Ice Crystal Halos
上部35°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
The Halo Vault
下部35°プレートアーク
⇒ Major Halo Outbreak in Southern China, Apr 29 ~ May 01, 2021
The Halo Vault
下部35°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク