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 35°ハロ

別名

英名

氷晶

配向

レア度

フイエのハロ 

35° halo,Féuillee's halo

ピラミッド型氷晶

ランダム配向

★★★★★☆☆☆

年に1、2回

概説

●35°ハロとは

 ピラミダルハロ(pyramidal halos/odd radius halos)の一種で、見た目は光源を囲む、半径が視角35°の虹色(大抵は内側が赤、外側が白)の円である。ピラミダルハロには(9°ハロを除き)季節性があり主に夏に出現するという特徴があり、35°ハロも例外ではない。

 35°ハロに35°プレートアークの成分が混じると斜め4方向が明るくなる(光源高度が数度以上になると下側の2方向のみが明るくなる)35°カラムアークの成分でも同様に斜め4方向が明るくなる。ちなみに35°カラムアークが単独で出現した場合、光源高度が高いと35°ハロと瓜二つになるため間違われやすい

 

 35°ハロの出現位置は他のピラミダルハロと距離があり、かつ薄いことが多く気づかれないことも多い。ピラミダルハロが出現したら少なくとも視半径46°(広げた手のひら2つ分)の範囲は隈なく観察しよう。

●歴史

 1853年、Louis Féuilleeによって最初に観測され、1986年7月21日にPaul J. Neimanによって最初に撮影された。フィンランドでは1987年4月12日にTimoとEsa Kinnunenによって最初に撮影された。

●出現頻度

 稀にしか観測されず、年に1、2回程しか出現しないとされている。[1]

●原理

 ピラミッド型氷晶がバラバラな向きで存在・回転しているとき、氷晶の一側のピラミッド面と同側の一つ飛ばしたピラミッド面とで形成される約80.2°プリズムに光が通ることで生まれる。

 氷で出来た80.2°プリズムを光が通過する場合、最小偏角は約34.9°となる

●変形・出現光源高度

​ 光源高度に関わらず出現し、形状も変化しない。

[1] The 1790 St Petersburg Display Atmospheric Optics

[2] Tobias Lowitz  「Déscription d'un météore remarquable, observé à St. Pétersbourg le 18 Juin 1790」 発表1790、公開1794

関連

●月の35°ハロ

 月の35°ハロは太陽によるものより珍しい

⇒ Lunar Pyramidal Crystal Halos, Chioggia near Venice

Atmospheric Optics

月のピラミダルハロ

⇒ Lunar Pyramidal Crystal Halos, Estonia

Atmospheric Optics

月のピラミダルハロ

⇒ Odd radius plate display from the Czech Republic

The Halo Vault

月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク

 

●35°グラウンドハロ

 地面に氷晶が形成されることで生まれる、空ではなく平面に浮かび上がる35°ハロ。

⇒ Rare halos - 14.2.2021 at 11.27 - 14.2.2021 at 12.01 Rovaniemi

Taivaanvahti

22°、23°、24°、28°、35°、46°グラウンドハロ

⇒ Rare halos - 13.2.2021 at 10.22 - 13.2.2021 at 11.03 Rovaniemi

Taivaanvahti

22°、23°、24°、28°、35°、46°グラウンドハロ

⇒ Rare halos - 7.4.2012 at 08.00 Kontiolahti

⇒ Pintahalo - 7.4.2012 at 08.17 Kontiolahti

Taivaanvahti

18°、20°、22°、23°、24°、28°、35°、46°グラウンドハロ

 

35°カラムアーク(35°カラムハロ)

 光源高度が高い時の35°カラムアークは35°ハロと形状が酷似しており判別が極めて難しい。これは光源高度が高い時の外接ハロが22°ハロと似ていることと同様の関係性である。

 違いとして、それが純粋な35°ハロであれば視半径9°、18°、20°、22°、23°、24°、35°、46°の同心円状の現象が同時に出現しているのが典型的だ。35°カラムアークであれば視半径9°、20°(下部欠損)、22°、24°、35°(下部欠損)、46°(上部欠損)の円状の現象が出現しているのが典型的だ

 簡単に、18°、23°が欠落し、20°、22°、24°と等間隔に3つ並んだディスプレイを見たらピラミダルハロではなくピラミダルカラムアークを疑おう。

⇒ Pyramidal Crystal Colunmn Arc Display

Atmospheric Optics

ピラミダルカラムアーク

観測例

⇒ Wales Pyramidal Halo

Atmospheric Optics

9°、22°ハロ

⇒ Odd Radius Halos

Atmospheric Optics

9°、18°、20°、22°、23°、24°、35°ハロ

⇒ Florida Pyramidal halos

Atmospheric Optics

18°、20°、22°、23°、24°ハロ

⇒ Odd radius halo – 2 April

​Ice Crystal Halos

18°、22°ハロ

⇒ Odd radius column arcs from Joensuu

The Halo Vault

9°、18°、20°、22°、23°、24°、35°​、46°ハロ

⇒ Odd Radius Halos in Diamond Dust

The Halo Vault

人工灯による9°、18°、20°、22°、23°、24°、35°​、46°ハロ

外部解説リンク

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