28°上部側方アーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
upper 28° lateral arc, 28°
upper oblique arc
八面体氷晶？
エキゾチック氷晶？
不明
★★★★★☆☆☆
地域によっては年に数回
日本では極めて稀
概説
●28°上部側方アークとは
見た目は光源の視角約28°両側上斜めに現れる、光源に凸の弧で、Lascar displayで観測された一連のエキゾチックハロ群、Lascar halo familyの一種である。
中国でしばしば観測報告がされる。
Nicolas Lefaudeuxの理論では28ePus(exotic pyramidal/plate arc/upper side)として、氷Icの8面体氷晶の理論では28Cc(cubic ice crystal/type-c)として説明されている。それぞれの仮説において下部の存在も予想されている。
●歴史
1997/11/27-28、チリのアンデス山脈中央のラスカー火山にて、Marko Riikonen、Leena Virta、Daniel Sullivanらによって観測された所謂「Lascar display」内で認められた。
●出現頻度
地域差があり、場所によっては年に数回ととても稀、日本ではまだ1例も観測されたことが無く極めて稀である。
●原理
28°上部側方アークの原理は解明されていないが、エキゾチック氷晶と呼ばれる特殊な形状の氷晶による仮説がいくつか提唱されている。
「傾斜の強い(20-23)のピラミッド面を持つ氷晶」[1]
この理論において28°上部側方アークは、「傾斜の強い(20-23)のピラミッド面を持つ氷晶（下図の真ん中、右の氷晶）」がプレート配向のとき、傾斜の強い(20-23)のピラミッド面（面33）と同側2つ隣の面（面35）で形成される70.7°のプリズム（最小偏角27.8°）によって生じるとされる。
「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」より引用、一部改変
「氷Icが作り出す8面体氷晶」[2]
この理論において28°垂直アークは、「一側が大きく切頂された8面体氷晶」が他側の8面体面を水平にした配向のとき（下図の左の図）、14-16・16-23・23-14で形成されるプリズムによって生じるとされる。
「Halo observations provide evidence of airborne cubic ice in the Earth’s atmosphere」より引用、一部改変
●変形・出現光源高度
詳細は不明である。
光源高度が高くなるにつれ、離れて消えていく。
[1]
Nicolas A. Lefaudeux 「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」 2011
[2]
Marko Riikonen 「Halo observations provide evidence of airborne cubic ice in the Earth’s atmosphere」 2000
観測例
Ice Crystal Halos
Lascar displayについて
⇒ 28° plate arc captured in Haikou, China
The Halo Vault
28°上部側方アークと様々なハロ
⇒ Time machine: the Chengdu display from July 20, 2016
The Halo Vault
28°上部側方アークと様々なハロ
⇒ Odd radius display at low sun in Berkshire, UK
The Halo Vault
28°上部側方アークと様々なハロ
⇒ High Quality 28° Arcs in Ji'an, China
The Halo Vault
28°上部側方アークと様々なハロ
⇒ Mysterious sunvex 28° arcs in Yunnan, China
The Halo Vault
通常より太陽に凸気味な28°上部側方アーク
⇒ Rare halos - 24.5.2020 at 19.25 - 24.5.2020 at 20.45 Reading, Iso-Britannia
Taivaanvahti
28°ハロと28°上部側方アークと様々なハロ