24°プレートアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
24°幻日、24°ラテラルアーク
24° plate arc,24° parhelion
24° lateral arc
ピラミッド型氷晶
プレート配向
★★★★★★☆☆
数年に1回
概説
●24°プレートアークとは
24°プレートアークはピラミダルプレートアークの一種で、24°ハロの幻日に相当する現象。ピラミダルハロ同様主に夏に出現するという季節性がある。
以前は24°ラテラルアークと呼ばれることがあったが、これはこの現象のメカニズムが分からなかった時に、光源の「側方=ラテラル」に出現することから便宜上付けられた名前であり、本来のラテラルアーク(46°カラムアーク)とは何の関係も無い。
見た目は光源の斜め4方向に生じる、光源に凸の虹色の弧である。より詳しく見ると、光源2時方向と10時方向に出現する上部と、光源4時方向と8時方向に出現する下部に分けられる。ただし見た目が弧のようになるのは理想的な氷晶の配向時のみであり、基本的には「24°ハロの斜め2、4方向がぼんやりと明るい」程度にしか認識出来ないことが多い。
光源が低い時は上部、高い時は下部が観測されやすい。
まだ発見されていないが、シミュレーション上、24°プレートアークBタイプの存在も予想されている。
ちなみにプレートアークの中では、下部20°プレートアーク、下部23°プレートアーク、下部35°プレートアークが特に稀少な印象です。
●歴史
上部は1989年に Walter Tape によって、下部は1993年にMarko Riikonenによって初めて解説されたとされる。
●出現頻度
上部下部どちらも稀にしか観測されず、数年に1回程しか出現しないとされている。
●原理
ピラミッド型氷晶がc軸を垂直に回転しているとき、氷晶のピラミッド面と2つずれたプリズム面とで形成される約63.8°プリズムに光が通ることで生まれる。
氷で出来た63.8°プリズムを光が通過する場合、最小偏角は約23.8°となる。
●変形・出現光源高度
上部24°プレートアークは、一般的に光源高度約30°近くで24°ハロから上方に離れ、徐々に消滅する。
下部24°プレートアークは、一般的に光源高度約40°近くで24°ハロから側~下方に離れ、徐々に消滅する。
しかし氷晶面の比率等で振る舞いが多少変化するため、度数は参考程度にされたい。
[1] 10年に2,3回程度 TAIVAANVAHTI
関連
●月の24°プレートアーク
月の24°プレートアークは太陽によるものより珍しい。
⇒ Odd radius plate display from the Czech Republic
The Halo Vault
月のピラミダルハロとピラミダルプレートアーク
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク
●2,10 o'clock spot
2、10時方向に認める、光源に凸の小さな虹色の弧のことで、いくつかの観測報告がある。24°プレートアークと考えられているが、実際の記録とシミュレーションでわずかな差異がある。他にもシュルテスアークや代替ローウィッツアークの一部とも考察されているが同様に形状が異なり、詳細はまだ不明な現象である。
⇒ Hidden Treasures in the Jutland Display
The Halo Vault
マルチディスプレイハロと10 o'clock spotの解説
⇒ A fresh 2 o'clock spot display
The Halo Vault
2 o'clock spotの考察
観測例
Atmospheric Optics
上部24°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Low sun odd radius display in Rovaniemi 14 Jan. 2021 – and some words on Canon 80D
The Halo Vault
上部24°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
Ice Crystal Halos
上部24°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
Atmospheric Optics
下部24°プレートアークと他ピラミダルプレートアーク
⇒ Moon diamond dust odd radius halos in Finland
The Halo Vault
月の18°、下部20°、上部23°、下部24°、下部35°プレートアーク