20°エキゾチックハロ
別名
英名
氷晶
配向
レア度
20° exotic halo
エキゾチック氷晶?
?
★★★★★★★★
全観測数 1例
概説
●20°エキゾチックハロとは
見た目は光源を中心とした視角半径約20°の円で、Lascar displayで観測された一連のエキゾチックハロ群、Lascar halo familyの一種である。
Nicolas Lefaudeuxの理論では20eH(exotic pyramidal/halo)として、氷Icの8面体氷晶の理論では通常の20°ハロとして説明されている。
何故通常のピラミダルハロの一種である20°ハロではなく「20°エキゾチックハロ」と判定されているかというと、他の度数のピラミダルハロが不在であり不自然だから、また光源高度が高くなると上部が欠損するという特徴があったからである。その特異な振る舞いをNicolas Lefaudeuxは、揺れの大きいプレート配向とパリ―配向の「傾斜の強い(20-23)のピラミッド面を持つ氷晶」で説明した。つまり20°エキゾチックハロ=20°エキゾチックプレートアーク+20°エキゾチックパリ―アークということである。
●歴史
1997/11/27-28、チリのアンデス山脈中央のラスカー火山にて、Marko Riikonen、Leena Virta、Daniel Sullivanらによって観測された所謂「Lascar display」内で認められた。
●出現頻度
まだ1例しか観測されたことが無く極めて稀である。
●原理
20°エキゾチックハロの原理は解明されていないが、Nicolas Lefaudeuxは「傾斜の強い(20-23)のピラミッド面を持つ氷晶」[1]による仮説を提唱した。この理論において20°エキゾチックハロは、「両側とも傾斜の強い(20-23)のピラミッド面で形成され、プリズム面が存在しない氷晶(下図の真ん中の氷晶)」が揺れの大きいプレート配向とパリ―配向のとき、一側の傾斜の強い(20-23)のピラミッド面(面33)と2つ隣の対側の傾斜の強い(20-23)のピラミッド面(面45)で形成される56.2°のプリズム(最小偏角20°)によって生じるとされる。
*揺れの大きいプレート配向の氷晶によって20°エキゾチックハロの左右を作り、揺れの大きいパリ―配向の氷晶によって、光源高度が低い時は上下部を、高い時は下部のみを作り出すことが出来る。
「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」より引用、一部改変
ちなみに、「氷Icによる8面体氷晶」では通常の20°ハロとして説明している。[2]
●変形・出現光源高度
詳細は不明である。
光源高度が低いときは円だが、高くなるにつれ上部が欠損する。
[1]
Nicolas A. Lefaudeux 「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」 2011
[2]
Marko Riikonen 「Halo observations provide evidence of airborne cubic ice in the Earth’s atmosphere」 2000