11-13°上部アーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
11-13° upper arc
エキゾチック氷晶?
?
★★★★★★★★
全観測数 1例
概説
●11-13°上部アークとは
見た目は光源の視角約11-13°上方に現れる、光源に凸の弧で、Lascar displayで観測された一連のエキゾチックハロ群、Lascar halo familyの一種である。光源が比較的高い時のLascar displayに認めた13°下部アークとの関係は不明である。
この弧は当初モイラネンアークと思われていた。
Nicolas Lefaudeuxの理論では13ePu(exotic pyramidal/plate arc/upper)としている。
●歴史
1997/11/27-28、チリのアンデス山脈中央のラスカー火山にて、Marko Riikonen、Leena Virta、Daniel Sullivanらによって観測された所謂「Lascar display」内で認められた。
●出現頻度
まだ1例しか観測されたことが無く極めて稀である。
●原理
11-13°上部アークの原理は解明されていないが、Nicolas Lefaudeuxは「傾斜の強い(20-23)のピラミッド面を持つ氷晶」[1]による仮説を提唱した。この理論において11-13°上部アークは、「両側とも傾斜の強い(20-23)のピラミッド面で形成され、プリズム面が存在しない氷晶(下図の真ん中の氷晶)」がプレート配向のとき、上側の傾斜の強い(20-23)のピラミッド面(面33)と同側対面の傾斜の強い(20-23)のピラミッド面(面36)で形成される39.2°のプリズム(最小偏角12.9°)によって生じるとされる。
「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」より引用、一部改変
ちなみに、「氷Icによる8面体氷晶」では11-13°上部アークを再現出来ていない。[2]
●変形・出現光源高度
詳細は不明である。
光源高度が低いときは弧が鋭く、光源高度が上昇するにつれ光源から離れ、弧が開いていき、光源高度10数度で消失する。
[1]
Nicolas A. Lefaudeux 「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」 2011
[2]
Marko Riikonen 「Halo observations provide evidence of airborne cubic ice in the Earth’s atmosphere」 2000