3°アーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
3° arc
エキゾチック氷晶?
?
★★★★★★★★
全観測数 1例
概説
●3°アークとは
見た目は光源の視角約3°下方に現れる、光源に凸の極めて小さな弧で、Lascar displayで観測された一連のエキゾチックハロ群、Lascar halo familyの一種である。肉眼では認められず当初は存在が気付かれなかったが、特殊な画像処理方法の確立によって発見された。[1]
Nicolas Lefaudeuxの理論では3mPl(mixed-pyramidal/plate arc/lower)として説明されている。
●歴史
1997/11/27-28、チリのアンデス山脈中央のラスカー火山にて、Marko Riikonen、Leena Virta、Daniel Sullivanらによって観測された所謂「Lascar display」内で認められた。
●出現頻度
まだ1例しか観測されたことが無く極めて稀である。
●原理
3°アークの原理は解明されていないが、Nicolas Lefaudeuxは「傾斜の強い(20-23)のピラミッド面を持つ氷晶」[1]による仮説を提唱した。この理論において3°アークは、「一側が傾斜の強い(20-23)のピラミッド面、他側が通常(10-11)のピラミッド面で形成され、プリズム面が存在しない氷晶(下図の右の氷晶)」がプレート配向のとき、傾斜の強い(20-23)のピラミッド面(面33)と対面の通常(10-11)のピラミッド面(面26)で形成される8.5°のプリズム(最小偏角2.6°)によって生じるとされる。
「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」より引用、一部改変
ちなみに、「氷Icによる8面体氷晶」では3°アークを再現出来ていない。[2]
●変形・出現光源高度
不明である。
[1]
Nicolas A. Lefaudeux 「crystals of hexagonal ice with (20¯23) miller index faces explain exotic arcs in the lascar halo display」 2011
[2]
Marko Riikonen 「Halo observations provide evidence of airborne cubic ice in the Earth’s atmosphere」 2000