シュルテスアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
映/反射型ローウィッツアーク
映幻日アーク
sub/reflected Lowitz arc
subparhelic arc
parhelion legs/arms/flare
Schulthes arc,S-arc
六角板状、柱状氷晶
ローウィッツ配向
★★★★★☆☆☆
ダイヤモンドダスト時
地平線下を観測できる時
概説
●シュルテスアークとは
見た目は映幻日(及び幻日)を通過する虹色(内側が赤、外側が紫)の弧で、3種類存在する。
凹型
映幻日と幻日を通過する、光源に凹の弧。
上部とも呼ばれる。
鋭型
映幻日を通過する、映日に鋭く凸の弧。
中部とも呼ばれる。まだ観測されていない。
凸型
映幻日と幻日を通過する、光源に凸の弧。
下部とも呼ばれる。
シュルテスアークを作るときの氷晶の姿勢では22°ローウィッツアークや46°ローウィッツアークが現れる可能性が高い。
シュルテスアークが見られるシチュエーションは主に2つあり、それぞれ形状が異なる。1つ目は光源が0°に近いときのダイヤモンドダスト中で、幻日からやや傾斜しながら非常に長く伸びる姿として観測される。2つ目は光源が数十度で、飛行機等で地平線下を観測出来る環境の時、映幻日をばってんにクロスする姿として観測される(前者を反射型ローウィッツアーク、後者を映ローウィッツアークと呼ぶべきだろう)。日本においてはダイヤモンドダストは難しいため後者を狙おう。
●原理
(六角板状氷晶の場合)c軸を垂直にして、c軸を中心に回転しa軸を中心に振動しているとき、側面と一つ飛ばした側面とで形成される60°プリズムを光が通り、その途中で内部反射することで起きるとされる。この光路は映幻日と同じであることから、映幻日と密接な関係があることが分かるだろう。
a軸での回転があるため、60°プリズムの光路が3種類存在することとなり、それぞれが凹型・鋭型・凸型に対応する。
●歴史
1951年5月13日南極にて、Gösta Liljequistが初めて説得力のある観測を行いスケッチを残した。その後1957年南極にて、Emil Schulthessによって初めて撮影されたとされ、Scientific American 1962年9月号にその写真が掲載された。[1]
そのことにちなんでシュルテスアークと呼ばれるようになった。しかし最近、名称に個人名をつける行為は、現象の本質を捉えられなくなるため避けられるようになってきており、反射型ローウィッツアークと呼ばれることが多い印象にある。
●出現頻度
稀にしか観測されず、年に1、2回程しか出現しないとされている。[2]
●変形・出現光源高度
形状の変化は乏しい。
[1] SUBMOON What is the first record of a halo from Lowitz orientation with 315 / 325 raypath?
[2] 有志の方々による統計
年1回 TAIVAANVAHT
観測例
Atmospheric Optics
地平線下、映幻日を貫く凹・凸型シュルテスアーク
Halo Phenomena
地平線下、映幻日を貫く凹・凸型シュルテスアーク
⇒ Rare 'Reflected' Lowitz Arcs
Atmospheric Optics
太陽高度0°付近の凹・凸型シュルテスアーク
Atmospheric Optics
太陽高度0°付近の凹・凸型シュルテスアーク。記事内では両者が逆になっている。
⇒ Diamond dust halos on the night of 12/13 January – part III
Halo Phenomena
人工光源による凹・凸型シュルテスアーク