映カーンアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
sub-Kern arc
分厚い六角板状氷晶
三角形傾向の角板状氷晶
プレート配向
★★★★★☆☆☆
ダイヤモンドダスト、人工灯で
しばしば
概説
●映カーンアークとは
見た目は映日点から視角45~58°上に現れる、天底を全周囲む虹色の弧(内側が赤、外側が紫)である。これはちょうど環天底アークの出現位置と重複しており、不足した部分を補うように円を描くが、明るさは環天底アークと比較して非常に暗い。
分厚い六角板状氷晶や三角形傾向の角板状氷晶での映カーンアークは、一様の明るさではなく、環天底アークが3つ連なり円を形成しているような見た目であり、つなぎ目部分は途切れるように暗くなっていることが多い。もし、滑らかな円であればカーンアーク同様に多重散乱が影響しているだろう。
●歴史
2008年12月7日、フィンランドのロヴァニエミにて、Marko Riikonenによって初めて観測された。[1]
●出現頻度
自然光では観測されたことは無い。尚、人工灯によるダイヤモンドダストディスプレイではしばしば観測される。
●映カーンアークの原理
カーンアークの原理と同様であり、詳細は省く。
分厚い六角板状氷晶、及び三角形傾向の角板状氷晶に、「光が上底面に入射した後、側面で内部反射し、2つ隣の側面から射出する」カーンアークの光路の間に下底面での内部反射が挟まることで形成される。
●変形・出現光源高度
環天底アークと同様、光源高度32°まで出現するとされるが、氷晶形や原理によって異なる。光源高度が低いと大きく、高いと小さくなる。
[1] More New Halos from Rovaniemi Atmospheric Optics
関連
●映カーンアークの涙
sub-Kern arc companion, sub-Kern arc tearsなどと呼ばれる。
映カーンアークは上述の通り3つの環天底アークの連なりで円となっている見た目である。その内、本来の環天底アークの位置以外の2つの弧の中心部から下へ向かう、やや分光した(偽色の影響も考えられている)短い弧のこと。また、その弧と接触している映カーンアークの部分に膨らみが出来ている。
位置を考えるとトリッカーアークの一部分と考えられそうだが、光源側を見るとプレート及びローウィッツ配向(幻日、映幻日、幻日環、映幻日環、環天底アーク、太陽柱、シュルテスアーク)であり、カラム配向で起きるトリッカーアークと当てはまらない。シミュレーションも成功しておらず詳細は不明である。
●天底ブラックホール
天底に現れた円形の暗い領域のこと。今までの観測例では「拡散光の映カーンアークの内側に一致した円」、「半径が映環天底アークより外側の円」、「映幻日環の内側に一致した円」等と様々で、同一の現象ではない可能性もある。拡散光のハロに関わる何かしらの現象とも考えられている。
映カーンアークとの関連は不明だが暫定的に載せている。
⇒ Koko taivaan haloilmiö - 12.1.2013 Klo 17.55 Tampere
Taivaanvahti
様々な拡散光のハロと環天底アークより少し外側まで広がる円形の暗い領域
⇒ 2009_01_02-03 Sub-Kern arc and circumnadiral arc
Atmospheric optics, landscapes and more (Jari Luomanen's site)
様々な拡散光のハロと映カーンアークの内側の暗い領域
⇒ 2008_11_15-17 Halos in Rovaniemi
Atmospheric optics, landscapes and more (Jari Luomanen's site)
様々な拡散光のハロと映幻日環の内側の暗い領域
観測例
⇒ More New Halos from Rovaniemi
Atmospheric Optics
初めて撮影された環天底アークと映カーンアーク
⇒ Subhorizon plate crystal halos
The Halo Vault
映カーンアーク、映幻日環、映120°幻日、映Liljequist幻日
⇒ Spotlight sub-Kern in diamond dust in Hyvinkää
The Halo Vault
環天底アークと映カーンアーク