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Jensen arc top.png

 ジェンセンアーク

別名
英名
氷晶
配向
レア度

 
​Jensen arc 

不明
不明
★★★★★★★☆

全観測数 数例

概説

​●ジェンセンアークとは

 見た目は環天頂アークの下に連続した、分光した2つの弧であり、実際の環天頂アークと比べ曲率がやや小さく、暗い(2つ目は1つ目と比べ更に暗い)。簡単に言えば環天頂アークが3重になった様な光景となる。

 観測例によって弧同士の距離に若干の差があるのと、2重のものが観測されたことがある。​ヘンリクソンアーク(太陽柱の環天頂アーク)とは異なる。

●歴史

 2020年4月14日、デンマークのユトランドにて、Anders Falk Jensenによって初めて観測された。

●出現頻度

 全観測数は数例であり極めて稀である。

●ジェンセンアークの原理

いくつかの仮説が立てられているが、それぞれ欠点がある。

凹型の平たいピラミッド面を持つ氷晶(ピラミッド面頂角-177°)
 楕円ハローを説明するために使用される平たいピラミダル結晶とアプローチは似ているが、今回の説明ではピラミッド面は凸ではなく凹としている。凹にすることでピラミッド面とプリズム面とで形成されるプリ
ズム角(88.5°)は、通常の環天頂アークの光路のプリズム角(90°)よりわずかに小さくなり、それによってわずかに光源側に近づく弧を再現できる。

 一方で、観測されていない他の不要な弧も多量に形成されてしまう。

わずかに傾斜したプリズム面を持つ2つの氷晶集団(傾斜3°、6°)

 プリズム面をわずかに傾けることで、上底面とプリズム面とで形成されるプリズム角をわずかに小さくした。それぞれプリズム面を3°、6°傾けた2つの氷晶集団を導入することで、3重環天頂アークを再現した。

 しかし同時に出現する120°幻日や幻日環が奇妙な見た目となってしまう​。

②’わずかに傾斜したピラミッド面が2つ連なっている氷晶(ピラミッド面頂角3°、6°)
 ②の改善案で、六角板状氷晶に異なる傾斜を持つピラミッド面を2つ連なってくっついた氷晶を提案し、1つの氷晶群で②とほぼ同様のシミュレーション結果とすることに成功した。プリズム面の高さ0.1、1つ目のピラミッド面の高さ0.0012・頂角3° 、2つ目のピラミッド面の高さ0.0002・頂角6°。

複数の反射環天底アーク

 観測点から東へ約30㎞の地点に海が存在する。仮説として海面での反射が海峡によって少なくとも2つに分けられ、環天頂アークの下に2つの反射環天底アークが形成される可能性が指摘された。

 しかし、本来反射環天底アークは極めて薄暗いため考えにくい。

●変形・出現光源高度

 詳細は不明である。

観測例

⇒ New Halo - Triple CZA (Jensen arcs) in Denmark

The Halo Vault

初めて観測されたジェンセンアーク。見た目は3重の環天頂アーク。

⇒ Double CZA spotted in Czechia

The Halo Vault

2重の環天頂アーク。

⇒ Double CZA, Kraków, Poland

The Halo Vault

2重の環天頂アーク​。

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