
カーンアーク
別名
英名
氷晶
配向
レア度
Kern arc
分厚い六角板状氷晶
三角形傾向の角板状氷晶
多重散乱ハロ
プレート配向
★★★★★★☆☆
数年に1回


概説
●カーンアークとは
見た目は太陽から視角45~58°上に現れる、天頂を全周囲む虹色の弧(内側が赤、外側が紫)である。これはちょうど環天頂アークの出現位置と重複しており、不足した部分を補うように円を描くが、明るさは環天頂アークと比較して非常に暗い。
分厚い六角板状氷晶や三角形傾向の角板状氷晶でのカーンアークは、一様の明るさではなく、環天頂アークが3つ連なり円を形成しているような見た目であり、つなぎ目部分は途切れるように暗くなっている。一方で多重散乱によるカーンアークは、一様な明るさでつなぎ目が無いスムースな円となる。
●歴史
1895年にオランダにて、H. F. A. Kernによって初めて報告された。[1] その後、長い間疑わしいハロとして扱われていたが、複数回の目撃情報(中には信頼性の欠ける報告も含む)と、所謂 the Saskatoon displayによって存在が確からしくなった。
誰が初めてカーンアークを写真として捉えるか世界的な競争感が醸成され、いよいよ2007年11月17日にフィンランドのソトカモにて、Marko Mikkiläが初めて撮影した。[2]
●出現頻度
自然光では極めて稀にしか観測できず、数年に1回程度しか出現しないとされる。尚、人工灯によるダイヤモンドダストディスプレイではしばしば観測される。
●カーンアークの原理
カーンアークの原理はいくつかの説がある。
最初に考えられたのは分厚い六角板状氷晶によるものだ。まず光が上底面に入射した後、側面で内部反射し、2つ隣の側面から射出することで形成される。これは環天頂アークの光路に側方反射が加わったものと考えることが出来るが、六角板状氷晶でカーンアークを実現させるには氷晶を相当厚くしなければならず、あまり現実的ではない。
厚さの問題を解決した、最も有名な説が三角形傾向の角板状氷晶である。三角形となることで、光にとっての「側面で内部反射→2つ隣の側面から射出」というプロセスがより簡易となる。サンプルでも三角形傾向の氷晶が多数確認されていることから信頼性が高い説だ。[2][3]
また、E. TränkleとR. G. Greenlerは、環天頂アークの幻日環といった多重散乱によって説明した。[4] 後に中国にて撮影された途切れのないカーンアークは、同様に多重散乱を支持する見た目であり、幻日、120°幻日、幻日環による環天頂アークと、環天頂アークによる幻日環が、通常のカーンアークを補助している説が提唱された。[5]
他に、Yoshihide Takanoらは角盤鼓(六角板状氷晶と六角板状氷晶とが、六角柱状氷晶の両端にくっついている見た目の結晶形)によって説明した。[6]
●変形・出現光源高度
環天頂アークと同様、光源高度32°まで出現するとされるが、氷晶形や原理によって異なる。光源高度が低いと大きく、高いと小さくなる。
[1] S. W. Visser 「Optische verschijnselen aan de hemel」 1954
[2] W. Tape 「Atmospheric Halos」 1994
[3] Kern arc Atmospheric Optics
[4] E. Tränkle, R. G. Greenler 「Multiple-scattering effects in halo phenomena」 1987
[5] Intense Kern arc from China The Halo Vault
[6] Y. Takano and Kuo-Nan Liou 「Origin of Kern’s arc」 1997
観測例
⇒ Kern arc photographed in Finland
Ice Crystal Halos
⇒ Kern Arc
Atmospheric Optics
初めて撮影されたカーンアーク
The Halo Vault
⇒ Secondary CZA from Sun Pillar
The Halo Vault
中国で観測された多重散乱の補助が考えられるカーンアーク
⇒ Kern and Hastings arcs make appearance in the UK
The Halo Vault
上層雲によるカーンアーク
⇒ New Halo - Triple CZA (Jensen arcs) in Denmark
The Halo Vault
上層雲によるカーンアーク、ジェンセンアーク
⇒ The first Ounasvaara arc in high cloud photographed
The Halo Vault
上層雲によるカーンアーク、オウナスヴァーラアーク
⇒ Rare halos - 20.1.2018 at 11.45 Nokia
Taivaanvahti
ダイヤモンドダストによるカーンアーク
⇒ Rare halos - 28.4.2019 at 19.50 - 28.4.2019 at 20.00 Reading, Berkshire, Iso-Britannia
Taivaanvahti
上層雲によるカーンアーク
⇒ Halo phenomena covering the sky - 21.5.2020 at 17.50 - 21.5.2020 at 18.10 Reading, Iso-Britannia
Taivaanvahti
上層雲によるカーンアーク
⇒ Bright halo phenomena covering the sky - 22.1.2023 at 18.30 - 22.1.2023 at 22.30 Jämsä
Taivaanvahti
ダイヤモンドダストと人工灯による映カーンアーク